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タイムコード信号について その2

1.概要

前回はタイムコード信号の基本的な技術について記述致しましたので引き続きタイムコード信号の使い方について紹介致します。
一般的に使用されるケースとして、ビデオ編集時に於ける編集点の取得や、番組長の確認等に用いられ、これらはタイムコード信号の中の時間データを使用します。この他に、タイムコード信号には利用者が任意に使用できるバイナリーエリア(9グループのユーザースエリア)があり、このエリアを使って各種コメントの収録や機器制御信号用に活用する事が出来ます。

1.タイムコード信号を記録する方法

最近のVTRでは、殆どタイムコード信号発生器(以下TCGと記述)が内蔵されておりますので、収録前にTCGのスイッチを「目的に合わせて」設定することにより、タイムコード信号を有効に活用することが出来ます。
「目的に合わせて」と記述しましたが、例えば取材用に使用するテープにはタイムコード信号を実時間に合わせて収録するケースと、収録のスタート点を特定のタイムコード値、例えば00時00分00秒に設定し、その値から連続したタイムコード信号で収録するケースが考えられます。
タイムコード値を実時間に合わせて収録するケースでは、始めにTCGの時刻を実時間に合わせ、TCGのスイッチ設定を「FREE RUN」モードにしますと、TCGは実時間に準じ歩進しますので、映像を収録した時の時間と同じTC値が収録されます。
一方、収録のスタート点を特定のタイムコードに設定し収録するケースでは、TCGの時刻設定を「固有」のスタート時刻に合わせ、スイッチ設定を「REC RUN」モードにし収録を行いますと設定時刻からTCが収録されます。
また、収録途中で中断しますとTCGもストップし、次の収録を開始した時点からTC値が歩進します.収録を中断したことでTCのつなぎ目は若干乱れますが、ほぼ連続したTC値が収録されます。
また、編集用に使用されるテープの例として、収録VTRに装填するテープには、全域消磁されたテープ(生テープ)や全域にブラックバースト信号(B.B信号)とタイムコード信号を収録してあるテープを設けます。何れの場合でも編集を開始した以降のタイムコード信号は連続していることが前提となる為、TCGのスイッチ設定を「REGEN」モードに設定します。生テープを使用する場合は始めにTCスタート時刻を「REC RUN」モードで設定し、VTRをRECモードにしてカラーバー信号を収録します。 次に続くクレジットB.Bや番組本編を、全てアッセンブル編集モードで収録しますとタイムコード信号が連続して収録されます。また、アッセンブル編集モードでテープエンドまで収録することになりますが、収録済みの部分を再編集する場合は編集モードをインサート編集モードに設定することで対処できます。
次に、「B.B信号」と「TC信号」が収録されているテープを使用する時は、全てインサート編集モードで映像・音声信号を収録することになります。事前作業としてB.B信号とTC信号を収録することになりますが、タイムコードを意識しないで編集できるメリットがあります。また、アッセンブル編集では必ずテープトップから収録しなくては信号が連続しないのですが、インサート編集ではテープの途中からでも編集が出来るので、番組の時間粋が決定しているようなケースでは番組素材が揃った部分から編集していく事も可能になります。

【要注意!!すでにタイムコードをテープエンドまで収録されたテープにアッセンブル編集モードで収録しますと、編集OUT点でタイムコード信号が乱れ、不連続になります。】

2.「VITC」信号を記録する方法

テープの長手方向に記録されるタイムコード信号を、通常「LTC」と呼び映像信号の垂直帰線消去期間に記録されるタイムコード信号を「VITC」と呼び区別されております。この「VITC」を記録するには、基本的に「LTC」と同じ動作になりますので「VITC」を使用する場合は、設定スイッチを「使用する」モードにします。通常「LTC」はテープカウンターに表示されますので「LTC」の設定を忘れることは無いのですが「VITC」はマーク等で表示されるので確認が必要です。

3.「バイナリーエリア」で信号をする方法

「LTC」及び「VITC」にはそれぞれ「バイナリーエリア」と呼ばれるエリア
があり、この部分に各種コメントや機器制御信号等のデータを書き込む事が出来ます。書き込まれたデータを読み出しテープ管理や機器の制御信号に使用することが出来ます。但し、このエリアを使ってデータの書き込みや読み出しを行う為には専用の装置が必要になりますので、ここでは使用例を紹介致します。

3-1.ストップコード運用

VTRを使ってニュースや番組を送出する場合、テープの何処からスタートさせるかが重要になります。通常「頭出し」と云われておりますが、この頭出しの制御信号としてストップコードをバイナリーエリアに書き込んで自動的にVTRを制御しテープの頭出しを行っております。
この方式は音声チャンネルを使用しないので、音声信号との誤動作が無く精度の高い制御ができ広く使用されている方式です。また、方式として標準化されており、ストップコード信号の書き込み及び読み出しができるインターフェースユニットも商品化されております。

3-2.エンコード運用

エンコードは番組のテープエンドに書き込んで番組が終了したことを識別する信号です。この信号を使用しカセットテープの自動排出や次のテープの頭出し制御に使用することが出来ます。複数VTRを使用し繰り返し送出等のシステムにも利用できます。

3-3.番組タイトルの運用

通常、ニュースや番組のタイトルは、文字スーパー装置などを使用してテープヘ収録されますが、これらのタイトルをバイナリーエリアにデータとして記録しておく事で、先のストップコードでテープの頭出しが出来た際に、タイトルデータを読み取り映像にスーパーすることが出来ます。

4.タイムコード信号を使用する際の注意点

最後にまとめとして、タイムコード信号を使用する際の注意事項について記述します。今ではタイムコードを使う事が一般的になっており、殆どのVTRに組み込まれています。一方、先に記述しました様に使い方で設定を変える必要がありますので、間違えた使い方をしますと意味のないデータになってしまいます。事前準備として、運用に適したタイムコードの設定を確認してから作業に入ることをお勧めします。

4-1.タイムコード信号はテープ長手方向に必ず昇順していること。

タイムコード信号が記録されているテープを使い回しする際、全消去してから使用する場合は問題ないのですが、消去をせずに使用しますと収録が途切れた部分に以前のタイムコード信号が残っています。この様なテープを使用し編集点の頭出しをしますと、以前のタイムコード値がテープ長手方向に昇順しておれば正常に動作しますが、「逆転」しておりますと指定されたタイムコード値が取得できず、頭出しが出来ないことになります。

4-2.「VITC」モードの確認。

編集時に「VITC」信号を使う利点に付いては先に記述いたしましたが、このモード設定を間違いますとテープの頭出しが出来なくなります。
通常、「VITC」モードは「LTC」モードに準じますので「VITC」を「使用するモード」に設定されていることを確認して下さい。設定されておりますと、VTRの編集モードに関係なく「LTC」と同じタイムコード値が収録されます。設定されずに編集しますと「VITC」値は、再生∨TRの「VITC」値が映像信号と共に収録され、結果として「VITC」値が不連続になり、先の「LTC」で記述した昇順が維持されてない為、頭出しが出来なくなります。但し、救済処理として「VITC」を「使用しないモード」にし「LTC」モードで使用することは出来ます。

4-3.タイムコード信号のダビング。

番組素材テープや編集済みの完パケテープのダビングを行う際に、タイムコード信号を「元テープのタイムコードと同じにする」か「しない」かの注意が必要です。「同じにする」場合は、映像・音声およびタイムコード信号を同時にダビングして下さい。タイムコード信号を接続しないと、収録VTRで設定されたタイムコードが収録され、元テープと異なります。以上が代表的な注意事項です。

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