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システムメンテナンス思考(その5)

1.概要

これまで3回に渡りビデオテープとVTRのメンテナンスについて紹介いたしましたがご参考になりましたでしょうか。日常のメンテナンスは大変なことと思いますが、各種システムの中枢を担う機材ですのでトラブルを未然に防ぐためには欠かせない作業と云えますのでメンテナンスを定期的に実施する事をお勧めして次のテーマに移ります。今回のテーマは代表的なシステムのメンテナンスについて紹介いたします。システムを構築している機材には様々な商品が組み込まれており、この全てをメンテナンスするのは難しい問題が有りますので、此処では簡易的に出来る事を主に纏めてみました。

2.簡易的なシステムメンテナンスとは

簡易的と位置づけした理由は、システムに組み込まれている全ての機材をメンテナンスするのではなく、システム全体または機能的に切り離ししてチェックする方法です。但し、フィルムプロジェクター等のメカニカルな装置はVTRと同様に点検手順に従ってメンテナンスする必要が有ります。

3.点検方法について

-1.システム内のモニターを使用する点検
システムには、映像、音声、波形等のモニターが組み込まれておりシステムの動作状況をチェックすることが出来ます。通常は作業に必要な信号を見ることになりますが、このモニターシステムを用いてシステム内の点検を行う方法です。パッチ盤等で信号系統が分離できる事が可能で有れば分離して確認して下さい。パッチ盤を経由していない系統は、別のケーブルを用意して直接モニターに信号を入力する等の方法で確認することが出来ます。テスト信号にはカラーバーと1kHzを用い、チェックポイントは映像系が信号レベル、位相、クロマレベル、音声系は信号レベル等モニターシステムでチェック出来る範囲です。

 

-2.操作手順書を作成してシステムをチェックする方法
この方法は、編集システムや操作が複雑なシステムをチェックする方法です。
一般的に、機能が多機能になりますと仕事で使用する範囲の機能しか使わない傾向があり、機能を全て使用するケースは少ないと云えます。
この為、機能を使用する段階で気付くケースがあり、他の方法で処理するなどの余分な工数を要することになります。

 

この様なロスを防ぐ為にも定期的にシステムの点検が必要になります。
機能が多岐に渡りますので、機能を整理し取扱説明書を参考にして操作手順書を作り、その手順書に準じてチェックする方法です。
ポイントとしては、操作に応じて機能が正常に動作するかを確認して下さい。

 

−3.製品に組み込まれているチェックシステムの活用
最近の傾向としてコンピューターソフトで動作する商品が多くなり、それに伴い機能をチェックする為のソフトが組み込まれているケースがありますので活用することをお勧めいたします。

4.代表的なシステムの点検例

−1.モニターシステム
モニターシステムの代表例は、送出回線を確認するウォールモニターが挙げられます。モニターの台数が多く全てを同一に調整することは難しいので、主となるモニターを定期的に調整し、このモニターと他のモニターを比較してチェックする方法をお勧めします。

 

−2.モニターの調整法
映像モニターにカラーバー信号を入力しカラーバー信号を確認して下さい。
次に、映像モニターのブルーオンリースイッチをオンにしますとモニター画面がブルー一色に成ります。この状態で以下の調整を行います。


*クロマレベルの調整
クロマ調整ボリュームを回して1の白と青および青と白の明るさを同じにします。

 

*ヒューの調整
ヒュー調整ボリュームを回して2のシアンとマゼンタおよびマゼンタとシアンの明るさを同じにします。1,2の明るさが全て同じになるまで調整します。

 

*ブライトネスの調整
ブルーオンリースイッチをオフにして 3の黒が微かに見え、同時に4の左右の黒が同じで見えないくらいに成るようブライトネス調整ボリュームを回し て合わせます。この黒レベルは室内の明るさによって見え方が異なりますので、その都度調整する必要があります。

 

*コントラストの調整
カラーバー信号をグレースケール信号に(黒から白までのレベルを階段状に表した信号)切り替え、白レベルがつぶれる直前までコントラスト調整ボリュームを回して合わせます。コントラストの調整をブライトネスで行うのは間違いです。

 

*ホワイトバランス及びブラックバランスの調整
ホワイトバランス及びブラックバランスの調整は、ブラウン管へ信号を出力するドライブ回路の調整になります。黒レベルはバイアスポリュウム、白レベルはゲインポリュウムで合わせます。
詳細に付きましては、マニュアルを参照下さい。

 

−3.その他のチェック
カラーバー信号を主に調整法を記述しましたが、モノスコ信号を用いた解像度のチェック(くさびの部分で解像度が読めます)クロスハッチ信号を用いたコンバージェンス(縦横の線がますめ状に描かれており、この線が一本に描かれている状態が正常です。この線が割れて色が付いているとコンバージェンスがずれていますので調整が必要です)や前面白信号を用いて色むらチェック(画面の一部に色にじみが見えたら磁化されていますので消磁してみて下さい)等があります。

 

以上がモニターの調整方法ですが技術が進歩するに伴い、モニターの調整法も簡略化されております。一度、モニターの調整方法を確認してみて下さい。

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