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システムメンテナンス思考(その4)

1.概要

先月は、CATV展やソニーの内覧会等があり新製品の紹介にページを割きました関係でお休みさせていただきました。今月から引き続き再開させて頂きます。前回は、∨TRの基本構造について紹介しましたので、今回はメンテナンスに関して記述いたします。∨TRには用途に合わせて各種モデルが発売されておりますが、メンテナンスの面から区別いたしますと「可搬型」と「据え置き型」に分類することが出来ます。特に、可搬型は屋外での使用が多く据え置き型より環境条件が厳しくなりますのでメンテナンスの頻度を多くされることをお勧めいたします。

2. テープ走行系のクリーニング

テープ走行系には、ビデオヘッドとヘッドドラム、固定ヘッド、テープガイド、及びテープを駆動するためのキャプスタン軸とピンチローラー等が取り付けられております。この内、ビデオヘッドを除くガイド類のクリーニングは上下および左右から拭いて「ゴミを取る感覚」で清掃して差し支えありません。それに対しビデオヘッドは強度が有りませんので「回転方向」に沿って清掃して下さい。また、ビデオヘッドにクリーニングクロスを添えて、ヘッドドラムを手で回転さす方法も有効です。 ヘッドドラムは、強度的には問題ないのですが、ビデオヘッドが取り付けられておりますので、クリーニングは他のガイドより注意が必要と云えます。

 

2.1 テープ走行系のチェック

-1.早送り・巻き戻しのチェック
テープ走行系のチェックはツール等を用いて行うのが一般的ですが専門的になりますので、ここでは簡易的に行う方法を紹介します。
走行系のクリーニングが済んだらテープを装填しテープトップから早送りを行い、テープエンドまで走行させます。次に、テープエンドから巻き戻してテープトップまで走行させます。この作業で、拭き残したゴミ類を落とす効果があります。
次に、テープトップから早送りし途中でストップする操作を2〜3回行いテープエンドまでテープを送ります。この作業では、早送り時の駆動性能がチェック出来ます。駆動性能が低下してきますとストップした付近に巻きムラが発生します。同様にテープエンドから同じように行うことで巻き戻しの性能がチェックできます。

 

−2.テープパス系のチェック
テープガイドは、テープ走行を正しく保つために備えられており、ゴミ等の付着がなければ安定に走行出来ることになります。一般的には摩耗によってテープ走行が不安定になります。
このテープパスをチェックする手段としては、トラッキング(TRACKING)ボリュームが有ります。テープを再生してモニター上の画面を見ながらこのボリュームを左に回転させていきますと、正常な画面からノイズが出てくる画面に変化します。同様にポリュームを右に回転させノイズの見え方を確認します。このノイズの見え方が画面全体に現れる傾向ですと、テープ走行は正しいと云えます。ノイズの見え方が、画面上部または下部から見えて来るようですとトラッキングがずれていることになります。但し、テープ走行はテープと関連しますので、他のVTRを使って使用したテープを同様の方法でチェックし、正常で有れば先の∨TRのテープ走行がずれている可能性が有ります。
この作業の注意点として、使用するテープは必ず他のVTRで記録したものを使って下さい。
同じVTRで記録したテープを使いますと、常に正常な現象になります。理由は、テープ走行がズレているVTRで記録し、そのVTRで再生しますと記録と再生でトレースのズレが相殺されますのでトラッキングのズレを検知することが出来ません。しかし、このテープを正常な VTRで再生しますとズレの現象が発生します。
この事は、取材してきたテープを編集する際トラッキングのズレが発生し正常な再生画が得られないときなどの救済策として、一度取材機で再生した信号を編集室の∨TRで収録し使用することが出来ます。

 

2.2 電気系のチェック
-1.再生系のチェック
他のVTRでカラーバー信号および1kHzを規定レベルで記録したテープを用意しチェックするVTRで再生し、ビデオおよびオーディオレベルを確認します。VTRの信号出力に波形モニターおよびVU計を接続し規定値と多少のレベル差は有ると思いますが、ほぼ同等のレベルであれば正常といえます。

 

-2.記録系のチェック
カラーバー信号およぴ1kHzを入力し記録します。入力ボリュームを調整し出力信号が規定値になるよう調整します。規定値に調整できたらVTRのレベル計が規定値を表示しているか確認してください。
次に信号を記録しその部分を再生してビデオおよびオーディオレベルを確認します。再生時と同様に規定値レベルで有れば正常といえます。
この時、VTRのレベル計も合わせて確認し規定レベル範囲に有れば問題有りません。

 

-3.アッセンブル編集のチェック
ブラックパースト信号および3kHzを入力します。VTRの編集モードをアッセンブル編集モードに設定し、先に記録してあるカラーバーの部分を再生し、途中からアッセンブル編集でブラックパースト信号および3kHzを記録します。次に編集点の少し前から再生し、編集点およびそれ以降の再生画にノイズ等の異常が無いことを確認します。

 

-4.インサート編集のチェック
ブラックパースト信号およぴ3kHzを入力します。VTRの編集モードをインサート編集モードに設定し、先に記録してあるカラーバーの部分を再生し、途中からインサート編集でフラックパースト信号および3kHzを記録します。次に編集点の少し前から再生し、編集開始点・それ以降および編集終了点の再生画にノイズ等の異常が無いことを確認します。
このチェックの注意点は、インサート編集する部分および前後の捨てカット部分を含めて映像・音声信号が連続して記録されている必要があります。
信号が不連続に収録されておりますとインサート編集部分の映像・音声信号が乱れチェックが正しく行えません。

 

以上が簡易的なチェック方法です。多少慣れないと難しく思えますが実機を前にしてチェックしていただければ簡単に出来ると云えます。
また、このチェックで異常と思われる症状が出ましたらサービスに連絡し内容の確認を是非お願いいたします。

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