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システムメンテナンス思考(その2)

1.概要

前回はテープダメージが映像信号に及ぽす現象について記述いたしました。
これらの現象は、テープダメージによって発生しますが、ダメージを受けている箇所によっては複合的に症状が出ますので実際の現象も複合して起こります。オープンテープですとノイズの出ているテープ位置を探し目視確認が出来ますが、カセットテープですと難しい面があり、日頃のテープ確認は欠かせないことになります。今回は、テープメンテナンスについて紹介いたします。

2. ビデオテープのメンテナンスについて

ビデオテープのメンテナンスは、日頃から皆様が行っている事と重複するかと思いますが、問題を整理すると云うことで記述させていただきます。

 

2.1 テープの保管場所について
よく云われてることとして「テープは生ものです」という話を聞かれたかと思います。普段なにげなしに使用しておりますと生ものと感じたことは少ないかも知れませんが、資料映像等のテープをチェックしてみますと磁性面の剥離やテープ面の張り付き等のダメージを受けているケースがあり生ものの実感が沸くと思います。この様な、ダメージを予防するには定温(20度前後)で湿度(40%前後)の低い所が望ましいと云えますが、実際には高温多湿な場所を避けて頂ければ問題ないと云えます。

 

2.2 使用回数の管理について
一般的な方法として、テープを使用する毎にテープラベルに使用マークを付けて管理する方法が採られております。しかし、一回使用しマークを付けたとしてテープエンドまで使ったのか、途中まで使って終了したかが解りません。特に、短い番組などを多く扱うケースではテープ途中で終了する事が多々有ると思います。この様な場合は使用範囲を記入し管理する等の工夫が必要になります。

 

2.3 テープ品質の管理について
テープ品質の維持は難しい面がありますが、テープの寿命は使用回数に比例して劣化しますので使用回数の管理と合わせてチェックすることが大切と考えます。ただ、テープの使用環境が異なるケースとして、屋内と屋外では条件が異なりますので別管理にする事も必要になると云えます。

 

2.4 記録再生特性について
記録再生特性の劣化も一般的に使用回数が多くなる事で増加します。傾向としては記録特性が再生特性より早く劣化します。実際の現象としては、記録済みのテープで再生出来たとしても収録が出来ないケースがあります。これは、テープの記録感度と再生感度の違いによる差から発生しますので、使用画数が多いテープを使う場合は、事前に収録テストを行い確認することが必要です。

 

2.5 テープの巻きムラについて
一般的にテープを使用した後は巻き戻しを行い保管するかと思いますが、この時テープ長の使用範囲を確認する必要があります。テープが巻き戻しされている関係もあって、使い初めはどうしてもテープトップからとなり、作業の内容にも寄りますがテープ途中迄しか使用せずに終了するケースが多くなります。
この様なケースでは、作業で使用した範囲のテープ巻き込みテンションと使用されなかった部分の巻き込みテンションに差が出る場合があります。
この様なケースで巻き皺が発生しますと、次回に使用したとき信号劣化が発生する事があります。この症状を防ぐには早送りで一度テープエンドまで送りその後に巻き戻しをすることで防ぐことが出来ます。この早送りと巻き戻し作業は、長期保存されたテープを使用する際にも有効に成りますので試みて下さい。

 

2.6 テープエッジカールについて
テープエッジカールについては、カセットテープになって見えにくくなっています。カセットによってはケース越しに見る事が出来ますが実際にテープを走行させて確認することをお勧めします。方法としては∨TRの上面パネルを外しテープを走行させ目視で確認するのが簡単です。

 

2.7 挨やゴミについて
カセットテープになってゴミの混入が改善されていますが気付かない間に混入していたり、∨TRの走行系に付着したゴミを巻き込んだりしています。
挨やゴミでは大きなトラブルには成りませんが、収録や再生時に部分的な障害となって発生しますので注意が必要です。最も簡単な方法は、テープをむき出しのまま放置せず必ずケースに収納することです。また、環境の厳しい取材から戻り作業が終了した後、テープトップから早送りと巻き戻しを行うことも効果のある方法です。

 

2.8 テープのキズについて
テープのキズは∨TRと密接な関係があります。ご存じのように∨TRのテープ走行系にはテープガイドがあり、信号を記録するためのヘッドがあります。特にビデオヘッドは回転しておりますのでテープキズを発生する要因となります。ビデオヘッドによるキズはヘッドのトレース軌跡に沿って付き、ガイドによるキズはテープ長手方向に付きます。これらのキズは使用するテープと∨TRの組み合わせで突然発生しますので予防が難しいのですが、発生しますと画像乱れ等の障害となって現れますので確認することが出来ます。このキズが付いたテープは使えませんので破棄することをお勧めしますが、収録されている内容を保管したいときにはキズの部分を避けるかしてコピーし、その後VTRの点検とクリーニングを行って下さい。
テープキズのチェックは難しいのですが、カセットテープのテープ引き出し口の蓋のロックを外し開いてテープの表面にビデオヘッドやガイドのキズが無いかを確認する方法が有ります。ただ、テープ全域にわたってチェックすることは不可能ですので使用回数やドロップアウトの発生頻度等で管理することをお勧めします。

 

2.9 まとめ
テープ管理をする上で決めてとなる方法は有りませんが、目安となる方法として使用回数による管理が効果のある手段といえます。多少面倒でもトラブルを未然に防ぐ効果がありますので是非工夫して実施することをお勧めします。
また、用途別にテープを分類して使用する方法も効果が有ると云えます。 例えば、取材用とか編集用に分けて使いますと環境が固定されますので、使用回数と合わせてテープ寿命を有る程度予測し管理する事が可能になります。
更に、テープ寿命の点から云えることは∨TRのクリーニングが挙げられます。
最近の∨TRは小型化され部品の密集度が上がっておりクリーニングが難しく成っていますが、取扱説明書などに記載されている方法にて定期的に行う事をお勧めします。テープキズの項でも述べましたが、テープにキズを付けてしまいますと、せっかくの作品を含めてテープを破棄しなければ成りません。
管理する決め手が無い以上、間接的な管理で対応する以外に方法が有りませんので、日々使用されている状況と異なる症状に気付いたら点検することをお勧めします。
最後にくどいようですが「テープは生ものです」取り扱いを間違えますと思わぬトラブルに成りますし、大切な財産を失うことにもなります。
テープ管理の方法は他にも有るかと思いますが、続けて行くことがトラブルを防ぐ事につながると考えます。

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