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MPEGの展望(その3)
1.概要
2. 動き補償予測について
3. 双方向予測について
4. 画像データについて
以上が代表的な圧縮技術ですが、実際に符号化された画像データは、どのような構造になるかについて、これまでの纏めと合わせて紹介します。 画像を符号化する際の処理方法は下記のように分類されています。
-1.フレーム間予測を用いずフレーム内で符号化処理を完結した画面 この画面を、Iピクチャ〈Intra Coded)と云います。フレーム内の近接した画素を比較し、冗長度を削除して符号化する処理で空間的冗長度に着目した処理です。この為、データ量は最も多くなります。
-2.動き補償予測を使い過去から現在を予測し符号化処理を完結した画面 この画面を、PピクチャくPredictive Coded)と云います。 順方向に二つのフレームを用いて符号化する処理で、画面内に移動する部分がある画像の符号化に対応します。データ量は、-1項より少なくなります。
-3. 双方向予測を使い順方向および逆方向予測し符号化処理を完結した画面 この画面を、Bピクチャ(Bidirectionaly Predictive Coded)と云います。 -2項の予測結果と、逆方向からの予測結果を加えて平均化し符号化します。画像内で移動する部分の他に消滅や出現があり、これらの変化に対して予想確立を向上することが出来ます。データ量は、最も少なくなります。
5. GOP(GROUP OF PICTURES)構造について
この「GOP構造」とは、IPBのピクチャの配列と、その配列の繰り返し周期を規定しており、I ピクチャの繰り返し周期を[N]とし、PまたはIの繰り返しを「M」で表されます。−般的な、GOP構造としては、N=12、M=3 が選ばれておりますが、放送業務用などでは編集作業に重点を置いて、IピクチャのみのN=1、M=1やN=2、M=2を採用しているケースが有ります。何れの場合も、GOP構造は Iピクチャが基準に考えられており、このピクチャが繰り返される毎に画像データが完結します。Iピクチャが一枚で残りが全てP BIピクチャで構成されるケースは有りません。
この様に、MPEGでは画像を圧縮する際に様々なバリエ−ションが有り、画質比較を難しくしておりますが、圧縮された映像の使用目的を絞ることで用途に合わせた機器の選択が可能になります。
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