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デジタル映像スイッチャーについて

1.概要

「高画質化」が進むなかで映像スイッチャーも急速にデジタル化されたモデルの一つと云えます。VTRがアナログタイプではスイッチャーをデジタル化しましても、映像信号の入出力段階でアナログ・デジタル変換が必要になりデジタル化の良さが発揮出来なかったのですが、最近ではデジタル信号の入出力が可能になり高画質が実現できるようになりました。 ここでは、スイッチャーの概念および代表的な機能について記述いたします。

2.スイッチャーの概念.について

 

映像スイッチャーの概念を図-1に示します。スイッチャーの映像信号入力は、映像入力系に接続され取り込まれます。この入力スイッチャーはマトリックス構造でM/E(MIX/EFFECT)列およびPGM/PST(PROGRAM/PRESET)列にて、それぞれ信号を選択できます。各列には、Aバス及びBバスが有り、通常、Aバスをフォアグランド、Bバスをバックグランドと呼ばれており、このAバスとBバスの信号を使って映像信号の加工処理を行います。実際には、このA/Bバス列で選択された信号が後段の加工処理回路に入力され、この回路の操作レバーを用いて映像信号の加工を行います。ここで加工された信号が後段のPGM/PST列に送られ、最終の加工処理が行われます。
ここでは、M/E列が一列の例を紹介しましたがスイッチャーの規模によって、2列、3列のものが有り、その分複雑な映像処理が可能になります。最近のスイッチャーには、バス列の概念を持たず、レイヤー構造にて映像処理を行えるモデルもあります。このモデルですと、個々に加工した映像信号を自由に組み合わせて処理出来る特徴があります。
このレイヤー構造のスイッチャーについては、別の機会に紹介する事にします。

3.スイッチャーの主なる機能について

スイッチャーには様々な機能が標準仕様またはオプション仕様にて付加されていますが、ここでは基本的な機能について記述します。

 

-1.ミックス機能

Aバス列とBバス列から、それぞれ映像信号を選択しミックスモードを指定して操作レバーをBバス側からAバス側へ動かしますとミックス処理が行われます。例えば、Bバスの黒い画面から徐々にAバスの映像が現れてくる処理です。

 

-2. ワイプ機能
Aバス列とBバス列から、それぞれ映像信号を選択しワイプモード及びワイプパターンを指定し操作レバーをBバス側からAバス側へ動かしますとワイプ処理が行われます。例えば、縦ワイプを指定しますとBバスの映像の右側からAバスの映像が徐々に現れてきます。 また、丸ワイプですとBバスの映像の中心からAバスの映像が現れてきます。これらワイプパターンの種類はスイッチャーの規模によって異なります。

 

-3.映像のはめ込み機能
映像のはめ込みは、入力信号の他にキー信号が必要になります。 キー信号の基本は、ベースになる映像(Bバスの映像)に、はめ込む映像の輪郭映像と輪郭の中に埋め込む映像で構成されます。図−1の右上のキー信号入力が該当します。動作はBバス列から映像信号を選択し、更にキー信号を選択して操作レバーをBバス側からAバス側へ動かしますとキー処理が行われます。例えば、風景映像に建物をはめ込んだ映像を創る場合、キー信号として建物の輪郭映像と建物の映像をキー信号入力に接続し操作レバーをBバス側からAバス側へ動かしますとキー処理が行われ、風景映像の中に建物の映像がはめ込まれます。   また、この処理と同じ効果を得る方法に、クロマキーと呼ばれる処理方式があります。クロマキー信号はブルーバックを背景として、はめ込む映像を創り、この映像でベースの映像にはめ込みます。キー処理として優れた方式の一つでよく使われております。

 

-4.タイトルはめ込み機能 タイトルのはめ込みは一般的にスイッチャーの最終処理過程で行われ、図−1ではPGM/PST列になります。処理方法は映像のはめ込みと同じになります。キー信号の代わりにタイトル信号を選択することで処理が行われます。以上がスイッチャーの基本機能です。これらを基にして各種効果が盛り込まれております。また、スイッチャーとは別に特殊効果だけの機能を持った装置もあり編集システムとして様々な特殊処理を実現しております。

4. デジタル化の優位性について

スイッチャーをデジタル化する事で、高画質が期待できる他に、安定性、信頼性、メンテナンス性、等も向上いたします。アナログ回路では複雑、且つ、大がかりな構造になり高価な製品になってしまう特殊効果の機能もデジタル化する事で実現可能になり、幅広い映像制作を訴求することが出来ます。特に、VTRを含め周辺機器がデジタル化されてきた現状では、より一層の高画質、高音質が期待できます。更に、映像の特殊処理機能として「縮小」「拡大」「スライド」等の2次元効果や「ページターン」「球」「円筒」等の3次元効果はデジタル化ならではの技術です。 これらの機器を有機的に結びつけ相乗効果を上げつつ、編集作業以外で気を配らずに制作出来る快適な環境を構築することがデジタル化のメリットと云えます。 終わりに、デジタル化の優位性について纏めてみますと

 

-1. 信号処理回路による劣化がなく高画質が維持できる。
-2. 複雑な特殊効果の処理が可能
-3. 特殊効果の組み合わせが自由に出来る。
-4.経年変化による特性劣化が少ない。
-6. 性能の安定性が優れている。
等があげられます。

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