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技術情報

TBC(タイムベースコレクター)について

概要

スタジオシステムは規模の大小を問わず、多くの機材が組み合わされて構築されます。このシステムを設置から運用までの範囲でデジタル化の優位性を考えてみたいと思います。最初にシステムの設置においては布線工事があり、システム調整が必要になります。また制作を行う業務においては、カメラを撮り、VTR編集・コピー、ビデオスイッチャーやオーディオミキサーを用いた加工処理、文字スーパー等が行われます。これらの過程において、デジタルシステムの優位性について記述いたします。
 

1.TBCの概念

TBCの概念について、左図の概念図に表しました。VTRの再生映像信号の時間軸がジッターにより不連続になっています。 水平同期信号の間隔で見ると、1ラインは長く2ラインは短い信号です。この信号をTBCに入力し、TBCで補正を行うと水平同期信号の時間軸が補正され、ジッターが除去された映像信号が得られます。

2.TBCの動作について

TBCを構成する電気回路は、全てアナログ回路で処理されております。入力されたアナログ映像信号は、デジタル信号に変換され時間軸の補正を行い、出力時にアナログ信号に変換します。時間軸の補正は、TBCに内蔵されているメモリー回路を使用して行われ、このメモリー回路の容量がTBCの補正範囲を決定します。初期のTBCは、この補正範囲が水平同期の1ラインでしたが、半導体の進歩とともにメモリーの容量が増え最近は十数ラインの補正が可能になっております。
 
次にTBCの動作について説明いたします。TBC補正概念図の「メモリー書き込みパルス」はTBCへ入力される映像信号(VTR出力信号)の同期信号から入力映像信号と同じく時間軸が変動したパルスを作り、このパルスを用いて、映像信号を1ラインごとメモリーへ書き込みます。メモリーから映像信号を読み出す場合は、TBCに入力されている基準信号から取り出した「メモリー読み出しパルス」を用いますので、読み出された映像信号は、時間軸の変動が無い映像信号として出力されます。
この様にして、メモリーへ書き込み、読み出しを繰り返して時間軸の補正を行います。ポイントは、入力の映像信号をデジタル化し、1ライン毎にメモリーへの書き込み、書き込まれたメモリーから規則的に読み出すことで時間軸の変動が補正されることになります。尚、メモリーへの書き込みと読み出しを行う処理過程で、映像信号の時間的な遅れが発生します。この遅れを解消するために、TBCからアドバイスシンクと呼ばれる同期信号をVTRに供給し、VTRから再生される映像信号の位相を進ませ、TBC出力でシステムの位相に合わせております。

3.その他の機能

TBCを使用する目的は、VTRから再生される映像信号の時間軸変動を補正することですが、この仕組みを利用してVTRの再生時に発生するドロップアウトを補完する事ができます。ドロップアウトとはテープを再生する際に、ビデオヘッドがテープから信号を拾えない時に起こる現象で、通常、画面に黒い横縞として現れます。原因としては、ビデオヘッドの汚れや、テープの変形などがあり、このノイズをTBCで補完することができます。
 
VTRの再生信号は、ドロップアウトを皆無にすることはできません。 この為、電気回路で救済する方法がいろいろ試みられ、その方法の一つとして、メモリーを利用する技術が開発されました。 ドロップアウトによる画質障害は、テープのキズ等を除くと数マイクロ秒から十数マイクロ秒が多く、これらが画質を劣化させております。この欠落時間が短い点に着目し、再生された映像信号を、障害のない時には補正回路を通さずに出力し、障害が検出された場合は、障害の直前の信号をメモリーから呼び出し障害のない信号に置き換えます。同じ信号が2度出力される事になりますが、画像として相関が有る信号ですから違和感はありません。

4.TBCとフレームシンクロナイザーの違いについて

TBCとフレームシンクロナイザー(FS)の原理は同じです。違いは、使用目的が異なります。TBCは、VTRから再生される映像信号の時間軸変動を補正する為に使われますが、FSは、衛生とか放送局から映像信号を受ける時に、受け局の基準信号に同期を合わせる為に用いられます。 また、衛生とか放送局から送られてくる映像信号は、受け局の基準信号と映像信号を、フレーム単位でメモリーから出し入れしますので、TBCより更に信号の処理時間が必要になります。この為、処理を必要としない音声信号が進んでしまいますので、映像信号とタイミングを合わせるために音声信号を遅らせる必要があります。

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