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技術情報

波方モニター(WFM)とベクトルスコープ(VS)について

1.WFM ・VS の概要

通常、波形モニター(WFM)及びベクトルスコープ(VS)は「WFM 」「VS 」と呼ばれており映像信号の特性チェック用として広く使用されております。
テレビの映像が白黒映像からカラー映像(NTSC 方式)に移り変わった事で映像信号も輝度信号のみの方式から、輝度信号に色信号が重畳された方式へと変化しました。この結果、カラー映像信号の特性チェックは輝度信号だけでなく色信号も監視する必要が生じました。特に色信号は、信号レベル(彩度)及び信号位相(色相)を監視する必要があり、専用の測定器が要求されWFM やVS が商品化されました。今では、当たり前の様にこれらの機器が使用されており編集卓や信号監視卓には必ずセットで設置されております。

2.波形モニター(WFM)について

カラー映像信号(NTSC 方式)は、映像部分に明るさを表現する輝度信号と色相・彩度を表現する色信号が重畳されております。また、同期信号部分は、水平および垂直同期信号、水平および垂直帰線信号、色信号を正しく再現するためのカラーバースト信号から構成されます。
では、「波形モニターで何が監視出来るのでしょう」

 

WFM で監視できる内容は
1.信号レベル・・・輝度信号、色信号、バースト信号、同期信号です。
2.位相・・・・・・垂直・水平の同期位相(時間)
等が有ります。

 

 

波形モニターの縦軸は信号レベルを表します。信号レベルの目盛りは、IRE(Institute ofRadio Engineers)単位で、1 IRE が7.14mv に相当し、ピークホワイトレベルが100 IRE(714mv)になります。また、同期レベルは‐ 40IRE になります。
 
カラーバー信号には、色信号の飽和度100 %のカラーバーとか75 %のカラーバーが有るほか、セットアップレベル(黒レベルの位置)が7.5IRE とか0 IRE の信号があります。 最近では、より自然画に近い信号として飽和度75 %、セットアップ0 IRE のカラーバーが使用されております。

 

図−1 は通常の映像信号です。図−2 はテスト信号としてカラーバー信号を表しました。波形モニターには、1 ライン(1H )または2 ライン(2H )を表示する選択スイッチが有りますので、1 ライン表示を選択すると図のような波形が表示できます。此処では、輝度信号、クロマ信号、バースト信号、同期信号がチェック対象になります。通常の映像信号を入力しても輝度信号とクロマ信号は絵柄によって変わりますから、確認は出来ません。そこでVTR を使用した場合を例にして確認法方をご紹介します。ビデオテープの映像素材には必ずテープ先頭にカラーバー信号が記録されておりますから、この部分を再生し波形モニターで確認します。レベルがずれていたら、正しい信号が出力されるようVTR 側で調整する必要が有ります。バースト信号は、色相を映像モニターに正しく再現する為の信号です。この信号のレベルが低いとか、波形が歪んでいると色が付かなくなります。クロマ信号が有っても色がつかない場合はバースト信号を確認する必要があります。同期信号は映像モニターに画像を再現するための信号です。この信号レベルが低いと映像モニターの画像が乱れてしまいます。‐ 40IRE が基準レベルです。

 

この他に、先月号で紹介しました複数の映像機器から出力される映像信号の位相を確認することが出来ます。特に編集システムでは機器間の同期を合わせることが重要になります。波形モニターを使って同期をチェックする方法は、波形モニターのREF スイッチをEXT 側に倒し、波形モニターを外部同期信号に同期させます。この状態で基準の映像信号と合わせたい映像信号を切り換えて、二つの同期信号が時間軸上で一致しているかをチェックします。 この位相がずれていますと編集点で映像が横にずれる等のショックが出ます。

3. ベクトルスコープ(VS)について

NTSC 信号の輝度信号は、波形モニターでレベルや波形が確認できますが、色信号には、レベルや波形だけでは判断できない色相が有ります。
この色相を図式化して表現できるようにしたのがベクトルスコープです。
「 ベクトルスコープで何が監視出来るのでしょう」
VSで監視できる内容は
1.色相・・・・・・・・・カラー信号の色相を確認
2.彩度(色の飽和度)・・カラー信号の彩度を確認
等が有ります。このベクトルスコープも波形モニターと同様で、通常の映像信号を入力しても、色相が明確に区切られていないため信号確認は出来ません。波形モニターの項でご紹介したように、ビデオテープに記録されておりますカラーバー信号を再生しベクトルスコープで確認します。

 

 

NTSC のカラーバー信号をベクトルスコープに表示しますと図−3になります。各色相が小さな四角(田;印)の中に収まっていれば正しい信号と言えます。しかしVTR等の機器にもよりますが、部分的に田印から外れる事があります。この場合は、全体の色相を見てVTR側の出力信号の色相(HUE)を調整します。この場合、バースト信号が回転し、各色相が変化します。
また、編集等のシステムに於いては、機器間のバースト信号位相を合わせる必要があります。
この場合は、VTR 側のシステムSC(サブキャリヤー)にて調整できます。
この場合は、色相とバースト信号が連動し回転しますが、各色相は変化しません。
参考として、図−4に、色相、赤紫の拡張図を示しました。この図の目盛りは、他の色相と共通です。田印は、色相が±2.5 ゜飽和度が±2.5IRE の範囲になります。
レベルや位相がずれていたら、正しい信号が出力されるようVTR 側を調整する必要が有ります。

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